賃貸物件
立退料
特に木造アパートなどの場合、建物の老朽化による建て直し・取り壊しなどで賃貸借契約の解除を家主が求めることが考えられます。借主が拒絶するときには、立退料を支払うことで解決できる場合があります。
この立退料には、移転費用や借家権価格、借主の個別事情が絡んでくるため、金額は変動します。また、立退料は法律に定められているわけではないので、必ずしも払わなければならないものではありません。

マンションやアパートから立ち退くように要求されたら、理由とその妥当性を確認するだけでなく、立退料の発生の有無もチェックしましょう。もらえるものはもらった方がいいですから。
借地非訟事件
土地付き一戸建て物件の賃借などの場合、借地人が地主に無断で増改築を行うと、これを理由に契約解除をされることがあります。
このようなトラブルにおいては、判決で解決するのではなく、裁判所に申し立てて、増改築の承諾を求める方法が有効です。裁判所で、増改築をする合理的な理由があり許可すると判断されれば、それを基に賃貸料の変更や、増改築の承諾料などが発生する場合があります。それにより、このトラブルが解決できます。
調停・和解
マンションやアパートの賃貸において、借主が契約違反をし、注意勧告をしても態度を改めない場合など、どのように解決すればいいのでしょうか。
1.裁判所での調停
裁判所に調停を申し立て、話し合いにより解決することができます。また、契約を守らないことを理由に強制執行を行うことも可能です。このような不動産関係の調停を、民事調停と呼びます。
2.即決和解による合意
借主や貸主、近隣住民との間のトラブルが、すでに和解を得ている場合は、即決和解という方法で対応できます。その場合、当事者全員で簡易裁判所へ行き、合意内容を和解調書に記載します。調書に書かれた内容は、裁判の判決と同じ強制力を持ちますので、遵守しない人間に対して強制執行を行うことができます。
賃貸住宅でのトラブル -更新料の不払い
マンションやアパートの賃貸では、契約には期間があり、それを過ぎるときには契約更新料を家賃の数か月分支払うことが求められることがあります。
ただし、家賃の滞納とは違い、更新料の滞納は契約解除の理由とはなりません。更新料というのは、関東一帯のみでの慣習であり、法的な根拠はないからです。そのため、更新料については、賃貸契約書に明記する必要があります(それにより裁判で借主に支払いを強制することが可能)。
賃貸住宅でのトラブル -無断退去
マンションやアパートで、借主が部屋に荷物を残したままで、しかも家賃を数か月分滞納したまま行き先も告げずにいなくなってしまったら、家主は次の行為を行うことにより、契約解除及び、部屋の再利用を行うことができます。
1.保証人の了解を基に契約解除
家主が自分で処理する場合にはこの方法がとられます。契約書に、無断退去の際は荷物を家主が処分できる、という条項が盛り込まれていれば、家主は荷物を別の場所得保管するために搬出し、空いた部屋を再利用することができます。
その際には、賃貸契約締結の際の保証人と連絡を取り、了解を頂いた上でこれらの処理を行う必要があります。また、了解をもらうときには、荷物のリストを作成し確認してもらうことを忘れないようにしましょう。後で、荷物の過不足を主張されたときの対策として有効です。
2.公示送達による契約解除
借主相手に裁判を起こし、その判決により契約解除を行う方法もあります。借主の行き先が特定できないため、荷物や部屋の処分を行うことは、裁判所の掲示板への公示送達を行うことで、通知したとみなすことができます。
この方法ですと、裁判結果さえ家主の思い通りに得られれば、確実な強制執行が可能です。ただし、判決が出るまでに時間がかかることや裁判費用がかかることなどの理由で、簡単には行うことが難しいようです。
賃貸住宅でのトラブル -家賃の滞納
マンションやアパートを借りてる人は、毎月決まった日までに家主に対し、家賃を支払わなければなりません。ただし、仮に滞納しても、家主が無断で契約を解除することはできません。この場合、民法規定の債務不履行が適用されますので、借主に対して、一定の期間内に滞納分を支払うよう通告する必要があります。
通常、下記の条件に至ったときに、家主は借主に対して契約を解除できます。
1. 3か月分程度以上の家賃を滞納している。
2. 「ある程度の期間」(5日~10日ほど)を定めて支払いするよう通告する。
3. その期間内に支払わなければ、契約を解除するという意思表示をする。
仲介手数料
アパートやマンションの賃貸契約締結に際して、不動産業者または宅建業者が受け取る報酬額は、家賃の1ヶ月相当の金額が一般的です。
ただし、居住用建物の賃貸借の場合は、事前に依頼者の承諾を得ている場合以外は、依頼者の一方から受け取れる報酬額は家賃の1か月分の半分とされています。現状では、これに広告費などの名目で上乗せし、1ヵ月分を受け取る業者が圧倒的です。
管理費や共益費
マンションやアパートを賃貸する際の賃料の中に、共益費や管理費などが含まれている場合があります。この共益費や管理費の意味は、共同住宅における公共スペース(エレベーター・入り口・通路など)の機能や形態を保持するために必要なこれらの費用に使われます。
1.電気などの光熱費
2.照明器具の交換費用
3.清掃費用
4.水道用の給水ポンプなどの維持費
敷金
マンションやアパートの賃貸契約を締結する際には敷金が発生します。敷金の意味合いとしては、賃料不払いや部屋の破損の損害賠償といった担保機能が含まれるものです。居住用の賃貸借の際には敷金が発生し、事務所や店舗などの場合は保証金と呼ばれます。
敷金や保証金は、契約満了時には返還されますので、どのような条件で、どれだけの金額が、いつ戻ってくるのかを、契約締結の際によく確認しておく必要があります。

マンションやアパートの敷金は、きれいに部屋を使えばかなりの額の返金が見込めます。部屋を出る際に自信のある方は、大家さんとしっかり交渉しましょう。
礼金
アパートやマンションなどの賃貸契約を締結する際には、礼金が発生します。
礼金とは日本独自の習慣であり、貸主に対するお礼として金銭を渡していたという過去の慣例が残ったものとされています。
たいていの場合は、家賃の1~2か月分が妥当な範囲です。

アパートやマンションを借りる際には、礼金の交渉を大家さんとしてみるのも良いと思います。
権利金
アパートやマンションの賃貸において、事務所や店舗などの業務用としての契約の場合は、権利金が発生します。借主から貸主に対して支払われるもので、返却の必要のない金銭となります。
権利金の意味としては、
1.その部屋内で業務を行い、利益を上げることの対価である
2.賃料の前払いとして
3.賃借権の譲渡の承認料として
上記3つのうち、いずれかの意味合いを持つものとして設定されます。

マンションやアパートを事業用として借りる際は、事前の申告を忘れずに。
特約条項
アパートやマンションなどの物件を賃貸借する際には、契約を締結しますが、貸主側で何らかの条件を付けたい場合は、特約条項を契約書内に盛り込む必要があります。(ただし、全てが認められるわけではなく、特約に違反したらすぐに追い出せるわけでもありません。)
特約条項とは、借主と貸主の間の信頼関係を大きく損なうような行為について、禁止するよう述べることはできますが、貸主の一方的な嗜好などによる条件は無効となります。
賃貸借契約書
マンション・アパートなどの物件を借りる際には、必ず契約書を借主と貸主の間で結ぶことになります。契約書を作成する際のポイントは次の5つになります。
1.建物の概要、所在地、床面積
2.契約期間
3.使用目的
4.家賃・敷金・礼金の額
5.無断譲渡や転貸などの禁止
これらを記載する契約書には、決められたフォーマット等はありません。上記5点を押さえれば、あとは自由に作成することも可能です。

マンションやアパートを借りる際は、契約内容をよく確認しましょう。特に、設備の自然劣化などがどちらの責任になるか、要確認です。
内容証明郵便
内容証明郵便とは、「いつ、どのような内容の郵便を送付したか」を証明することができます。
賃貸契約を解除したい場合に、その旨を通知する必要がありますが、普通郵便で送付しても、裁判時の証拠としては使えません。相手がその郵便を受け取っていないと言ってしまえばそれまでだからです。
その対策として、送付日付や書面の内容まで証明できる、内容証明郵便を用いることが非常に有効となります。
また、さらに確実を帰す方法としては、配達証明付きの内容証明郵便を送ることも考えられます。滞納されている家賃をある期日までに払うように書面に記したとして、それがその期日までに相手に届いたかどうかを証明する必要があるので、配達期日まで証明してくれるこの方法も有効だといえるでしょう。
正当事由とは
賃貸住宅の契約を終了する際には、たいていの場合、正当事由が必要となります。
たとえば、賃貸借契約期間中の途中解除の理由として、借主が契約内容に違反した場合などです。もしそのような正当事由がない場合、貸主は立退き料を払うか、代替の物件を紹介するなどの対応が求められます。
定期借家権
アパートやマンションなどの賃貸契約において、借家契約に期限がある場合もない場合も、借家関係を地主から解消するための要件として正当事由が必要でした。しかし、1999年、借家の供給促進を図るため、正当事由の有無に関わらず、期間満了によって契約が終了できるという形に改定されました。
その他の特徴としては以下のとおりです。
1.公正証書など、書面による契約
2.家主からの書面による説明義務
3.家主からの通知義務
4.借主からの通知義務
5.定期借家への変更
定期借地権付きマンション
住宅や不動産において、定期借地権付きのマンションは、開発業者と地主との定期借地権契約となり、地主としては自ら建物を建てて賃借人を募集する手間を省くことができます。
・転売方式
開発業者が地主と借地契約を結んで建物を建築し、その後に定期借地権付き住宅として分譲することを意味します。
・転貸方式
開発業者が地主との間に定期借地契約を結び、購入者は開発業者と借地権の転貸借契約を結びます。地主は開発業者から地代を受け取って、開発業者は各購入者から地代を受け取ります。

土地をお持ちの方がマンション経営をする際には、不動産業者にご相談の上、定期借地権契約を行う方法もあります。
定期借地権付き住宅
土地を借りた側にとっては、所有する場合と比較して格段に安い金額で庭付き一戸建ての家を持つことができ、貸す側の地主にとっては定められた期間が到来すると確実に土地が戻ってくる上に、安定した収入を確保できる借地権です。

一戸建てに住みたい方で、このタイプの住宅選びをされるケースとしては、例えば跡継ぎや親戚がいないために、相続を考える必要がない場合などが挙げられます。マンションなど財産を残しても国や地方に納められてしまっては仕方ないですから。
定期借地権
住宅や不動産における制度の中に、定期借地権というものが導入されました。以前の借地法では、土地や住宅を借りた側に問題があるなどの理由がない限り、契約は自動更新されるというものでしたので、貸す側にとっては土地や住宅がいつまでも戻ってこないという不便さがありました。
それを解消するためにできた法律が定期借地権です。
定期借地権には以下の3種類があります。
1.一般定期借地権
2.建物譲渡特約付借地権
3.事業用借地権
また、定期借地権を導入することによる地主のメリットとデメリットを以下に示します。
<メリット>
1.自己資金を投入して賃貸経営を行うリスクを背負わずに済む
2.地代の安定した確保
3.契約期間中(50年)は保証金を運用できる。
4.相続時の土地の評価額が低くなる。
5.契約期限と同時に契約の終了が可能。
<デメリット>
1.契約期間中は売却や転貸の拒否ができない。
2.借主が保証金融資を利用した場合、土地に抵当権が設定されてしまう。

マンションやアパートを借りる際には、契約期間に注意しましょう。更新のたびに更新料が発生しますので、短すぎる場合は要注意です。

