公募増資
公募増資とは、不特定多数の投資家に対して同条件で株式を発行することを指す。商法では、時価による発行を原則としており、時価以外の有利な条件による発行は、株主割当および株主総会の特別決議がある場合のみ認められている。時価といっても、通常は、価格決定日の前日の時価を基準として、3%前後の割引が行われている。公募増資により、資本金は、(発行株数)×(発行価額)分だけ増加するので、(発行済株式総数)×(券面額)と資本金の額はイコールにならない。しかし、発行価額の2分の1以上を資本に組み入れることを条件に、発行価額の一部を資本準備金とすることが認められている。公募・時価発行増資は、1969年の日本楽器(現在のヤマハ)が行った公募増資をきっかけとして定着していったものの、バブル崩壊後の1990年代からは、公募増資が事実上ストップした。
関連
募集株式(ぼしゅうかぶしき)とは、募集に応じて株式の引受けの申込みをした者に対して割り当てる株式のことである(会社法199条1項)。新たに発行する株式(新株)や処分する自己株式(金庫株)のことである。
また、新株の発行や保有自己株式の処分のことを、「募集株式の発行等」(会社法199条〜213条)という。旧商法の規定では新株の発行と自己株式の処分は別個に規定されていたが、新たな株主を募集する点においては違いがないので、会社法では募集株式の発行等という形でまとめて規定されている。株式の発行により払い込まれた財産は資本金に組み込まれること(会社法445条1項)から、増資ともいう(ただし、2分の1までは資本金に組み込まず資本準備金とすることが許されており、実際にはそのようにするのが一般的である。会社法445条2項3項)。
募集株式の発行等には、割り当てる相手により3つの種類がある。
公募:不特定多数の者に株式を割り当てる場合(公募増資ともいう)
第三者割当:特定の第三者に株式を割り当てる場合(第三者割当増資ともいう)
株主割当:すべての株主に対して持株数に応じて株式の割当を受ける権利を付与する場合
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