インベストメント・バンク

証券引受業務を中心に手がける証券会社を指し、投資銀行と訳される。主な業務は、有価証券の新規発行の引受や仲介、それに伴う事業組織、資本構成、企業買収戦略に関するコンサルティングなどが挙げられる。インベストメント・バンクは、預金の受入れといった商業銀行業務の兼業は認められていない。アメリカのインベストメント・バンクは、顧客である企業のニーズを満たす商品やサービスを開発する知的集約型の業務であり、日本ではこれからの業務と言える。



関連

日本のインベストメント・バンク

日本において投資銀行という名称が広く知れ渡るようになったのは、1990年代以降ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーのような米系投資銀行が高度な金融技術を武器に複雑な企業合併案件や巨額の資金調達のアドバイザーに指名されるようになってからである。

前述の通り、日本では野村證券、大和証券、日興證券のような証券会社が主に投資銀行業務を担っていたが、それらの証券会社はメリル・リンチのように個人向け有価証券のブローキング業務の割合が高かった。このように、財務戦略のアドバイザリーなどの法人部門の割合が小さかったことから、証券会社は狭義の意味での投資銀行ではないという意見もあった。

しかし資本市場の国際化や規制緩和に伴って、大和証券と住友銀行が合弁で大和証券SBCM(現大和証券SMBC)を設立したり、日興證券とトラベラーズグループ(後にシティコープと統合してシティグループとなる)の合弁で同じく日興ソロモンスミスバーニー証券(現日興シティグループ証券)を設立するなどホールセール専業の本格的投資銀行が出現した。また銀行系証券会社では、旧第一勧業銀行、旧富士銀行、旧日本興業銀行それぞれの証券子会社が合併しみずほ証券が設立し法人に特化した営業を行い、三菱証券とUFJつばさ証券が合併して三菱UFJ証券が誕生し投資銀行ビジネスを拡大・注力するなど、日本でも狭義の投資銀行という業態が活躍するようになっている。

日本の法人向け銀行は(ex.旧日本興業銀行や旧日本長期信用銀行など)事業の大部分を法人への融資に頼っており、投資銀行業務を行なっているとは言いがたかった。しかしながら、企業の負債圧縮が進行し銀行融資に対する需要がなくなっていく中、みずほコーポレート銀行は資産流動化や財務アドバイザリー業務などの投資銀行業務を積極的に手がけるようになり、みずほフィナンシャルグループの利益の9割近くをたたきだしている。とは言え、欧米の金融機関と比べるとまだまだ収益率が低く、リスクテイクあるいはリスク管理の弱さを指摘されている。

日本でもアメリカのグラス・スティーガル法と同様に証券取引法第65条が銀証分離を規定していたが、アメリカと同様に緩和され銀行子会社の証券業務参入が認められ、みずほフィナンシャルグループやMUFGのような都市銀行を母体とする金融持株会社が出現し、商業銀行と投資銀行を傘下に置いている。また、平成18年度に証券取引法とその他の金融商品に関する法律を合わせて抜本改正された金融商品取引法(投資サービス法も内包)が可決され、銀証分離規定が廃止され銀行による証券業務参入と証券会社による銀行業務参入が自由化され、欧州型のユニバーサルバンクへの道が開かれることになった。これにより、国内メガバンクもドイツ銀行グループやUBSのような一大グローバル金融グループへの発展が現実味を増している。その兆候を垣間見るようにみずほフィナンシャルグループ傘下のみずほ証券と新光証券は2008年1月に合併し(合併上の存続会社は新光証券)みずほコーポレート銀行を牽引役とするグローバルコーポレートグループ、米国での展開強化等前述のようなグローバル金融グループへの道を歩み始める予定である。

また、ノンリコースローンやプロジェクトファイナンスなどの、担保物件の価値ではなく企業やプロジェクトが将来生み出すキャッシュフローに依拠して融資判断を行う先進的な融資も、投資銀行業務の一部と言われる事や実際に投資銀行部門が担当していることがある。

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