クラウディング・アウト

国債の大量発行によって民間の資金が財政部門に流れ、民間企業の資金需要を圧迫することを指す。市中消化の原則が守られていれば、国債発行によって市場から吸い上げられた資金は、財政支出として再び市中に還流していく。しかし、大量発行が続いて市場に国債が累積してくると、国債の売り圧力がかかり、国債の市場価格は下落、市場利回りが上昇する。すると、長期貸出金利や事業債利回りといった長期金利全般も上昇することになり、企業の長期資金調達が困難となる。



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実際のクラウディングアウト

実際にクラウディングアウトが起きた例として、1980年代初頭のアメリカが上げられる。

この当時のアメリカは、過剰な財政支出に起因するインフレーションに、高金利政策で対処していた。この高金利によって民間投資は壊滅的な打撃をこうむった。

このため、莫大な減税にもかかわらず、国民所得はまったく伸びず、失業者は1000万人を記録するなど戦後最も厳しい経済状況となった。

これは、金融緩和によってクラウディングアウトを回避していたアメリカが、金融引締めによって、事後的にクラウディングアウトを経験した例であり、財政支出を相殺する以上の民間投資減少が起きた。

インフレーション沈静化後は、すぐさま金融緩和が行われ、「アメリカは復活した」といわれるほど急激な景気拡張が1983年から起きた。しかし、それによる不均衡はインフレーションではなく経常赤字を生み出し、プラザ合意へとつながることになる。


日本では、1990年代の財政赤字がクラウディングアウトを起こして民間投資が減少したという見方もあるが、この間金利は低下を続けているため、誤りである。

むしろ、実質金利上昇をもたらすデフレがおきていることから、財政出動の規模が不足していたことが、民間投資へ悪影響をもたらしていた。

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