トラッキング・ストック(TS)
企業内の一部の事業部門を反映した株式を指し、アメリカでは、事業の一部を分離・独立させるスピン・オフに代わる経営手段として利用されている。企業における成長分野と非成長分野を一緒にしておくと、新規事業のTS値がわからなくなるので、その価値を顕在化させるために用いられる。
関連
トラッキング・ストックの歴史
アメリカ
初のトラッキング・ストック利用例は、米国で1984年にゼネラル・モーターズ(General Motors Corporation)が情報処理サービス会社Electoronic Data Systemsを買収し、EDSの業績に連動したトラッキング・ストックを発行した例である。この時、被買収企業EDSの頭文字を付して"GM-E株式"と称したので、アルファベット・ストックやレター・ストックとも呼ばれるようになった。その後、ディズニーなどの著名企業も発行に踏み切り、急速に普及した。
上記のGMの例は企業買収(M&A)でトラッキング・ストックを用いたものであるが、企業分割の手法として用いられた例もある。既存株主に対してトラッキング・ストックを割り当てる方法である。1991年にUSXがコア事業である鉄鋼部門とノンコア事業である石油・ガス事業部門の実質的な分割を狙って発行したのが最初といわれている。
また、新たな資金調達のために既存株主以外に対して割り当てる方法もある。1990年代後半に、インターネットやバイオ関連のベンチャー企業が発行したトラッキング・ストックの多くはこれに該当するといわれる。
日本
日本では、2001年6月に、ソニーが子会社ソニーコミュニケーションネットワークを対象としたトラッキング・ストックを発行したことが最初の利用例である。この時点ではまだトラッキング・ストックに関する法制備がなされていなかったが、同年12月の商法改正により種類株式制度が整備され、発行が容易に行えるようになった。
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